『老後ひとり難民』という本を読んだ。
現在の日本の病院や福祉システムは、かつての家族が看取ることが当たり前の社会を前提に設計されている。しかし、核家族化が進み、地域との繋がりが薄れた今、それらのシステムには限界があり、おひとりさまの老後、もっとはっきり言うと「死の間際」にはあまりに多くの困難が待ち受けていることが書かれている。
先日、私はブログで「(フェミニズムの文脈で)個人の自由や尊厳が守られる社会を歓迎する」と書いた。確かに「個」が尊重される今は、昔よりずっと生きやすいはずだ。しかし本書では、そうやって生きてきながら、年老いて物理的にひとりで生きられなくなった時に「誰かに助けてほしい」と急に願うのは無理がある、と厳しく指摘する。
解決策として、まだ課題は多いものの民間の身元保証人代行サービスや、おひとりさま同士が助け合う「SISTERHOOD」という一般社団法人のコミュニティが紹介されていた。後者は特に興味深く、そういった同じ立場の人達との交流や情報交換ができる場があるのは、私にとっても理想的なライフスタイルに思えるので今後の発展を祈るばかりだ。
もともとは親を案じて手に取った本だったが、読み終えて感じたのは自分自身への危機感だ。祖母や両親を見ていて思うが、年を重ねてから急に何かのコミュニティに入っていくのは難しい。若いうちから、どんな些細な場所でも所属する癖をつけておくことが不可欠だと痛感した。それはたまに痛みを伴うが、それ以上に孤独は簡単に人を殺す。そういった意味でも、労働がいくら嫌でも、会社という繋がりを手放すのは、もう少し先にしようと考えている。
また、本書では、意識や意思がしっかりしている間にエンディングノートを書いておき、その保管場所を書いた紙を財布に入れておくことが推奨されていた。これは防災という意味でも効果的な上、簡単に実践できるため、私も早速実行して親にも勧めたいと思っている。
