てんやはこの世の最後の楽園

てんやの天丼

てんやが好きだ。最近は節約や健康を意識して、以前より外食の回数は減らしているが、それでもてんやの魅力には抗えない。

お気に入りのメニューは「てんやの天丼」だ。インゲン2本、カボチャ、きすの開き、えび、イカの天ぷらが乗り、味噌汁も付いて、なんと690円。さらに私はご飯を少なめにするため、50円引きで640円になる。タレはかけ放題。多分慈善事業なんだと思う。

少し前までは松のやもこの世の楽園だと思っていたが、先日久しぶりにささみカツ定食を食べたところ、カツに臭みが残っていただけでなく、白米の味も落ちているように感じた。しかもいつも混んでいる。よって楽園認定は取り消しとした。

その点、てんやはいつも空いているのも良い。これほど美味しい天ぷらが安く食べられることを、皆まだ知らないのだろうか。YouTubeのチェーングルメ系動画でも、紹介されているのを見たことがない。

『ルポ過労シニア』という本を昨日の夜から今日にかけて一気に読んだ。死ぬまで働かざるを得ないシニアたちの現実を描いたルポである。彼らの人生には、ローン、働かない子供、非正規雇用による搾取、さらには性差別や年齢差別などが重くのしかかっている。加えて、シニア自身のプライドや見栄(ライバーになるんだ、少年野球の草野球チームに入るんだという荒唐無稽な夢)まで記されており、読んでいてなかなか厳しいものがあった。

なぜなら私の父親がその年代に近づいており、これからどうするつもりなのか心配しているからだ。ただ、母方の祖母は79歳になった今も、百貨店のアパレル店員として働いている。フルタイムではないものの、度々県をまたぐ出張を任されるほど頼りにされているらしい。

ルポにもあったが、結局シニアの労働は知能やスピードでは若い世代に勝てないために、ほとんどの場合で体力勝負になるのだという。私はそれで戦っていける自信がない。だからこそ、これからも生活水準を上げず、生涯孤独を貫きながら、少しでも早く労働から引退できるよう、貯蓄に努めたいと思う。シニアの中には、それまでの生活水準が高く、定年後も生活費を下げられないために、退職金を数年で使い込んでしまって再度働かざるを得なくなる人も居ると書かれていた。

これからも、てんやがいちばん美味しい人生でいい。